年に一度、境内全体が提灯の赤い明りに包まれ幻想的な世界となる伏見稲荷大社の本宮祭。
昨年は人の少ない時間を狙って宵宮祭の朝の時間帯に行ったので、今年はぜひ夜の絶景を写真におさめたいなと思っています。その前に伏見稲荷大社を訪れる上で知っておきたいポイントをまとめていきます。
【宵宮祭・本宮祭開催日】
「宵宮祭」 7月本宮祭の前日 18:00〜
「本宮祭」 7月土用入後初の日曜又は祝日 9:00〜
★2020年の本宮祭(7月18・19日)は、新型コロナウイルスの感染の影響で、提灯の奉納・行灯画の展観及び本宮踊り等が取り止めとなり、御本殿の神事のみ厳粛に斎行されるとのことです。
コロナ影響による開催状況やその他授与所の運営時間など随時お知らせに上がっているので、詳しくは伏見稲荷大社HPをご確認ください。
1.伏見稲荷大社の成り立ち
伏見稲荷大社が創建されたのは711年。
渡来系の有力豪族であり稲作により富を得ていた秦氏が稲の神を祀る社として建てたのが起源とされていています。『山城国風土記』逸文によると、秦伊呂具(はたのいろぐ)が餅を的に矢を放つとその餅が白い鳥になって飛び去り、降り立ったところに稲が実りました。その降り立った場所というのが、現在の稲荷山でありその地に伊奈利社として創建したのが伏見稲荷大社の始まりだそうです。
その後伏見の地で信仰されるようになった神様が全国的に有名になったのは、各地に伝説を残す平安時代の香川の大スター空海の影響があったというのには香川出身の私もびっくり!
空海が東寺を建てた際に地理的に近い伏見の稲荷社を守り神という位置づけにしたのだそう。空海が説いた真言宗が世に広がると共に稲荷社も全国の民衆から篤く信仰されるようになったのだとか。
2.伏見稲荷大社の御祭神
伏見稲荷大社の御祭神は宇伽之御魂大神(うかのみつけのおおかみ)、佐田彦大神(さたひこのおおかみ)、大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)、田中大神(たなかのおおかみ)、四大神(しのおおかみ)の五柱で総称して「稲荷大神」と呼ばれています。
主祭神である宇伽之御魂大神は、『古事記』では須佐之男命(すさのおのみこと)と大市比売命(おおいちひめのみこと)の御子。『日本書紀』では名前の漢字が異なり倉稲魂大神としるされ、国生み、神生みを行った伊弉諾神(いざなぎ)と伊弉冉(いざなみ)の御子とされ、五穀豊穣を司る神様です。
3.実は1万基以上ある千本鳥居
伏見稲荷大社といえばまるで幻想的な誘うように並ぶ朱色の千本鳥居が非常に有名ですが、実は千本といいながら現在1万基以上もあるんです。
千本鳥居の奉納が始まったのは江戸時代で1300年もの長い歴史の中で信仰されてきた稲荷大社のなかではわりと新しいほうなんですね。
願いが「通るように」という祈りまたは「通った」というお礼をこめて、参拝者が鳥居を奉納する習慣が広まったのだそうで、人々の厚い信仰心が今の伏見稲荷大社を形づくっているのだと思うと感慨深いです。
現在でも鳥居を奉納することができ、社務所や稲荷山参道にある各茶店でも受け付けているそうです。
4.稲荷神の使い、狐
境内のあらゆるところに様々な風貌をした狛狐が鎮座しています。狐の尻尾が稲穂に似ていることや、倉の穀物を食べる鼠の天敵であること、そして春先に山から降りてくるので田の神の先導役と考えられていたことから神使になったなど諸説あります。
鍵のほか宝珠や稲穂、巻物などをくわえた狛狐をみかけます。
稲穂は五穀豊穣、巻物は知恵、宝珠は稲荷大神の霊徳、鍵は穀物を貯蔵している倉の鍵を表しているのだそうです。
自分のお気に入りの狛狐を見つけるのも参拝の楽しみ方のひとつですね!
まだまだ伏見稲荷大社の魅力はこんなものではないので、参拝時の見どころや伏見観光のおすすめコースについて別途まとめていきます!
Chankana